おいしい日本酒

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未来を感じさせる「楽器正宗 alternative 2025」

福島県の銘蔵「大木代吉本店」が手がける「楽器正宗 alternative 2025」は、伝統と革新が見事に融合したクラフトサケとして、2025年の日本酒シーンに新風を吹き込んでいる。

本作は、クラフトビールの「ドライホップ製法」を日本酒に応用するという大胆な試みで造られており、清酒の枠を超えた「その他醸造酒」として登場した。その新感覚な味わいと香りの個性から、酒ファンの間でSNSでも早くも話題を集めている。​

楽器正宗 alternative2025

新しい日本酒の可能性を示すドライホップ製法

alternative 2025」の最大の特徴は、最終工程で加えるホップの香りづけにある。ビールでお馴染みの「ドライホップ製法」を取り入れることで、柑橘系の爽やかな香気やグレープフルーツ、ライムなどを想わせる清々しい香りが生まれています!従来の吟醸香では届かない、新しいアロマ体験をもたらす一本だ。

ホップ特有のグラッシー(草のような)香りが立ち上がり、口に含むと軽いガス感と酸味、そして穏やかな苦味が絶妙に混ざり合ってなにかくせになる味がある。それでいて日本酒らしい甘みと旨味はしっかり残り、飲み飽きしない調和が秀逸である。

楽器正宗 alternative2025


ピーチとホップの華やかな競奏

もう一つ注目すべき点は、果実のような甘味とホップの清涼な苦味とのバランスだ。開栓直後は控えめな香りながら、口にするとピーチ系の上品な甘味が広がり、じんわりとしたホップの余韻が残る。まるでピーチフィズのような印象を与え、甘すぎず軽快。アルコール度数は12度と低めで、白ワインやクラフトカクテルのように爽やかに楽しむことができる。ラベルデザインも遊び心にあふれ、ホップをモチーフにしたアートワークはSNS映えも抜群だ。​

食事との相性と楽しみ方

alternative 2025」は単体での美味しさに加え、食中酒としても非常に優秀だ。白身魚カルパッチョやレモンを効かせたチキンソテー、あるいはタコスやフライドポテトのようなジャンキー系の料理ともマッチする。酸味と苦味が脂を軽やかに流し、食材の味を引き立ててくれるため、ワインやビールの代替としても活躍する。特に冷蔵温度帯でしっかり冷やして飲むと、香りと味わいの輪郭が際立ち、ホップの魅力をダイレクトに感じられる。​

大木代吉本店の挑戦と哲学

福島県矢吹町に蔵を構える大木代吉本店は、創業明治元年の老舗ながら、環境配慮型の酒造りや自然栽培米の活用など革新的な取り組みを続けていて、常にチャレンジをしている面白い酒蔵です。

その看板ブランド「楽器正宗」は、軽やかでキレのある味わいを基調としながら、常に時代を先取りする実験的な姿勢が特徴だ。「alternative」という名にも、伝統の枠を超えた“もうひとつの選択肢”という意味が込められており、日本酒業界に新たな価値観を提示している。

 

 

楽器正宗 alternative 2025は、
・ドライホップ製法を採用した革新的な日本酒
・ホップと米の融合による爽快な香りと軽やかな味わい
・アルコール12度の飲みやすさと洗練されたデザイン性
で、日本酒ファンのみならずクラフトビール愛好者も惹きつける次世代のクラフトサケである。近くによる機会があれば、店舗にもいってみてください。

2025年の今、伝統と革新が交差する日本酒のなかで、最も注目すべき一本。それが「楽器正宗 alternative 2025」。その一杯は、未来の日本酒文化を感じさせる、まさに“ニューウェーブ”の味わいである。